私たち農業自衛隊は、自衛官として培った使命感・行動力を農業界へとつなぎ、退職後も社会の一翼を担い続けられる仕組みづくりを目指しています。退職自衛官の再就職課題と、農業従事者の減少という日本が抱える二つの問題を同時に解決するため、農業への参入支援や技能修得の場を整備していきます。


退職自衛官を農業界へ導く取り組み
自衛官は在職中、組織の中で培われる「チームワーク」「責任感」「危機管理能力」などの強みがあります。退職後、こうした能力を活かせる環境を広げることで、人手不足が深刻化する農業界の活性化に貢献したいと考えています。
- 教育研修プログラムの整備
退職予定自衛官の農業界進出をサポートするため、自衛官にあった教育研修プログラムを整備して知識・技能の修得及び錬磨の場を提供します。アフターサポートを充実させ、卒業生がいつでも相談できる窓口の準備を推進しています。 - 地域農業とのマッチング
退職時期や希望する生産地域に合わせて、各地の農家や法人とのマッチングを進める仕組みを構築中。教育研修プログラムで培った知識・技能を活かし、即戦力としての活躍を期待しています。 - 農業法人への就職、独立農業支援
将来的には独立や起業を目指す退職自衛官にも対応すべく、各地で学んだ技術を共有し合う体制づくりを推進。更に、農業法人へ就職を希望する隊員や独立農家を希望する隊員の就農準備から軌道に乗るまでの間を全面的にサポートし、農地・農機具、販売・経営に関わる不安を解消します。


農業教育機関との連携
現在、私たちは事業説明を通じて農業教育機関と関係を構築し始めています。多様な学びの場を提供する同校の教育プログラムを活用し、退職予定自衛官が農業の基礎知識とスキルを着実に身につけられるよう、連携を深めていく段階です。
- 専門家の指導・カリキュラム
農業教育機関の講師陣や独自の学習メソッドを取り入れ、農業経験が浅い方でも一貫したサポートを受けられるように整備してまいります。 - 実地研修(フィールドワーク)との組み合わせ
座学だけでなく、現地の圃場を訪問して実践的なノウハウを習得。退職後すぐにでも農業経営へ移行できるよう、具体的な技術を身につける場を提供します。


農業自衛隊が目指す未来
- 再就職問題の解決
自衛官が安心してセカンドキャリアを選択できるよう、多角的なサポートを整備し、勤続後の将来設計をより豊かなものにします。 - 農業従事者減少の歯止め
若い世代や人材資源が不足する農業界へ、自衛隊という新たな人材の流れを確立。全国各地の農家と協力しながら日本の食料基盤を支えていきます。 - 地域活性化と地方創生
地方での暮らしと農業を結びつけることで、地域の雇用や経済を活性化。過疎化が進むエリアに新たな担い手が生まれることで、持続可能な地域社会の実現に寄与します。
私たち農業自衛隊は、現役のうちから農業を学び、退職後は全国の農業現場で即戦力として活躍していただけるよう環境を整えています。「退職自衛官の再就職」という社会的課題と「農業界の人材不足」という構造的課題の両面を解消し、日本の未来を明るくする一翼を担う。それこそが、私たちの「自衛官再就職問題への取り組み」の最大の目標です。