
米先任!
トマトの隣にバジルを植えると、害虫も減って味も良くなるって本当でありますか!?
植物同士にも相性がある。
“隣人”として支え合う、それがコンパニオンプランツ栽培じゃ。


スリーシスターズって、トウモロコシと豆とカボチャの組み合わせ…
古代からの知恵、すごいであります!
うむ。
豆は肥料、カボチャは土の保湿、トウモロコシは支柱。
理にかなった組み合わせじゃ。


農薬や化学肥料に頼らず、植物の力で守り合うなんて…
まるでチーム戦であります!
そうじゃ。
農も時には単独戦より連携戦。
多様性は強さじゃよ。

コンパニオンプランツ栽培(Companion Planting)は、相性の良い異種の作物や草花を“隣人”として組み合わせ、害虫抑制・生育促進・空間効率化を狙う多品種混植の技法です。北米先住民の「スリーシスターズ(トウモロコシ、豆、カボチャ)栽培」から現代の有機菜園まで受け継がれ、近年のメタ解析では単作比で平均 10–20 %の収量増と害虫発生低減が確認されています。
1.ごあいさつ
世界の農法シリーズ第12回は、コンパニオンプランツ栽培。
Point! 2024 年の国際メタ解析では、混植は単作より平均 14 %の作物収量増、害虫個体数 21 %減、土壌有機物 11 %増という効果が報告されました。
2.コンパニオンプランツ栽培とは?
2-1 歴史と文化
時期 | 事例 |
---|---|
紀元前5千年 | メソアメリカでトウモロコシ・豆・カボチャのスリーシスターズが成立 |
中世 | 欧州修道院菜園でハーブと野菜の混植が普及 |
1970 年代 | 英・米の家庭菜園運動で“コンパニオンプランツ”という語が定着 |
2-2 仕組みのキモ
- 相利作用
- 豆類の根粒菌が窒素固定→トウモロコシを肥沃化(スリーシスターズ)。
- 化学的忌避・誘引
- マリーゴールドの根がチオフェンを放出し、根こぶ線虫を抑制。
- 物理的バリア/天敵誘導
- バジルやチャイブの揮発成分がアブラムシの寄主認識を攪乱。
- 空間・光利用
- 高低差を生かし、背丈の高い作物が陰湿を好む低作物を日射から保護。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Three_Sisters_Garden.jpg
3.手順(家庭菜園モデル)
Step | 作業 | 具体例 |
---|---|---|
1 | 目的設定 | 例:トマトの害虫抑制&香味向上 |
2 | 相性リスト参照 | トマト+バジル/マリーゴールド |
3 | レイアウト | 根域競合を避け 30 cm 間隔で交互植え |
4 | 同期播種 | 萌芽・開花期が重ならないよう調整 |
5 | 観察・調整 | 害虫発生時に追加ハーブで強化 |
4.ここがスゴイ!コンパニオンのメリット!
- 収量増
- バジル混植でトマト収量 平均 20 %増の圃場試験。
- 害虫抑制
- マリーゴールド帯で根こぶ線虫密度 70 %減。
- 化学農薬削減
- メタ解析で農薬投入量最大 37 %削減。
- 多様な収穫
- ハーブ・花を副産物として販売・利用可能。
5.「有事対応力」
リスク | コンパニオン効果 |
---|---|
農薬・肥料高騰 | 自家ハーブで害虫抑制・窒素固定 |
単作病害大発生 | 多作物モザイクで伝染を分断 |
乾燥・高温 | 高低差遮陰で土壌水分保持 |
6.まとめ
コンパニオンプランツ栽培は、化学合成資材に頼らず「植物同士の助け合い」を引き出すシンプルかつ実証的な農法です。スリーシスターズに始まり、現代の研究でも収量向上・害虫抑制・土壌改良が裏付けられています。多品種を組み合わせることでレジリエンスが高まり、資材高騰や病害多発といったリスクに強い農地を構築できます。
参考文献・ウェブ資料
- Three Sisters (Wikipedia) en.wikipedia.org
- ScienceDirect “Effect of Companion Plants on Tomato Production” sciencedirect.com