3.11から15年。あの日の経験を、未来への備えへ
「災害のとき、本当に人を支えるのは“食”だ。」
これは、私(松上)が災害派遣の現場で強く感じたことです。
3.11から15年。東日本大震災から15年が経ちました。
当時、私は自衛官として、福島第一原発災害派遣の任務に従事しました。その他にも新潟中越沖地震や熊本地震など、幾度となく災害派遣の現場に立ってきました。

災害対応の現場で感じたこと
そこで、私が現場で強く感じたのは、災害対応には多くの力が集まり、それぞれが大切な役割を担っているということです。
自衛隊、自治体、消防、警察、そして多くの民間団体やボランティアの方々。多くの人々が力を合わせ、被災地の支援に尽力しています。
その中で私が特に意識するようになったのが、「食」と「生活」を長く支える仕組みの重要性です。
災害の初動では、救助や緊急支援が最優先となります。しかし時間が経つにつれて、被災地では次第に継続的な食料確保や生活の支えが重要になっていきます。

農業自衛隊が考える「集成農業自衛隊」という構想
そこで、私が考えたのは、大規模な災害発生時において、全国の農家さん、農業法人が結集して臨時編成される『集成農業自衛隊』という構想です。
集成農業自衛隊は、人命救助を担う組織ではありません。それは自衛隊、消防、警察といった専門機関が担うべき重要な任務です。
集成農業自衛隊が担うのは、その後の「食」を支える役割です。
全国の農家ネットワークを活かした、持続的な食料支援の仕組みづくり。これは、農業に携わる人々の力が、災害時において大きく活かされる領域だと考えています。
平時から地域を支え、有事に備える
また農業自衛隊は、地域防災にも積極的に関わっていきたいと考えています。
平時には、地域の農家や住民の皆さんと連携しながら、害獣対策、地域防災、消防活動への協力など、地域の安全を支える取り組みを進めていきたいと考えています。
そして、もし大規模な災害が発生した場合には、平時から築いてきた農家ネットワークを活かした活動をしていきたいと考えています。
そこに、災害派遣を経験してきた退職自衛官の経験やマネジメント力を組み合わせることで、「食を支える防災力」という新しい仕組みを作ることができると信じています。
日本の農業を守ることは、日本の命を守ること
3.11から15年。あの日の経験を、未来への備えへとつなげるために。
食を守る力は、人の暮らしを守る力になる。そして私は、日本の農業を守ることは、日本の命を守ることだと思っています。
未来の災害に備え、農業の力で日本を支えるネットワークを作っていきます。この想いに共感してくれる農家の方、地域防災に関わる方、志ある仲間が全国に広がることを願っています。

私たちが目指す姿
日本人は、本来、思いやりと助け合いの精神の強い民族だと私は信じています。
そこに誰か困っている者がいれば、
「誰かがやるだろう」
ではなくて、
「俺(私)がやる‼︎」
と、自ら動ける人間でありたい。本物の日本人でありたい。
我々、農業自衛隊は、現役時代に培った経験と責任感、そしてリーダーシップを持つ退職自衛官等で作られる組織です。混乱と錯誤の災害現場において、全国から集まってくる仲間(同志)たちをマネジメントし、強いリーダーシップを発揮して、被災者のために最善を尽くせる、日本を支える仕組みをこれから一歩ずつ形にしていきます。

結びに
最後に、3.11でお亡くになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、日本の未来に我々、農業自衛隊が貢献することを誓います。


