世界の農法シリーズ#12「植物同士の助け合い!コンパニオンプランツ栽培の魅力とは?」

世界の農法シリーズ
トマト士長
トマト士長

米先任!
トマトの隣にバジルを植えると、害虫も減って味も良くなるって本当でありますか!?

植物同士にも相性がある。
“隣人”として支え合う、それがコンパニオンプランツ栽培じゃ。

米先任
米先任
トマト士長
トマト士長

スリーシスターズって、トウモロコシと豆とカボチャの組み合わせ…
古代からの知恵、すごいであります!

うむ。
豆は肥料、カボチャは土の保湿、トウモロコシは支柱。
理にかなった組み合わせじゃ。

米先任
米先任
トマト士長
トマト士長

農薬や化学肥料に頼らず、植物の力で守り合うなんて…
まるでチーム戦であります!

そうじゃ。
農も時には単独戦より連携戦。
多様性は強さじゃよ。

米先任
米先任

コンパニオンプランツ栽培(Companion Planting)は、相性の良い異種の作物や草花を“隣人”として組み合わせ、害虫抑制・生育促進・空間効率化を狙う多品種混植の技法です。北米先住民の「スリーシスターズ(トウモロコシ、豆、カボチャ)栽培」から現代の有機菜園まで受け継がれ、近年のメタ解析では単作比で平均 10–20 %の収量増害虫発生低減が確認されています。


1.ごあいさつ

世界の農法シリーズ第12回は、コンパニオンプランツ栽培

Point! 2024 年の国際メタ解析では、混植は単作より平均 14 %の作物収量増害虫個体数 21 %減土壌有機物 11 %増という効果が報告されました。


2.コンパニオンプランツ栽培とは?

2-1 歴史と文化

時期事例
紀元前5千年メソアメリカでトウモロコシ・豆・カボチャのスリーシスターズが成立
中世欧州修道院菜園でハーブと野菜の混植が普及
1970 年代英・米の家庭菜園運動で“コンパニオンプランツ”という語が定着

2-2 仕組みのキモ

  1. 相利作用
    • 豆類の根粒菌が窒素固定→トウモロコシを肥沃化(スリーシスターズ)。
  2. 化学的忌避・誘引
    • マリーゴールドの根がチオフェンを放出し、根こぶ線虫を抑制
  3. 物理的バリア/天敵誘導
    • バジルやチャイブの揮発成分がアブラムシの寄主認識を攪乱。
  4. 空間・光利用
    • 高低差を生かし、背丈の高い作物が陰湿を好む低作物を日射から保護。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Three_Sisters_Garden.jpg


3.手順(家庭菜園モデル)

Step作業具体例
1目的設定例:トマトの害虫抑制&香味向上
2相性リスト参照トマト+バジル/マリーゴールド
3レイアウト根域競合を避け 30 cm 間隔で交互植え
4同期播種萌芽・開花期が重ならないよう調整
5観察・調整害虫発生時に追加ハーブで強化

4.ここがスゴイ!コンパニオンのメリット!

  • 収量増
    • バジル混植でトマト収量 平均 20 %増の圃場試験。
  • 害虫抑制
    • マリーゴールド帯で根こぶ線虫密度 70 %減
  • 化学農薬削減
    • メタ解析で農薬投入量最大 37 %削減
  • 多様な収穫
    • ハーブ・花を副産物として販売・利用可能。

5.「有事対応力」

リスクコンパニオン効果
農薬・肥料高騰自家ハーブで害虫抑制・窒素固定
単作病害大発生多作物モザイクで伝染を分断
乾燥・高温高低差遮陰で土壌水分保持

6.まとめ

コンパニオンプランツ栽培は、化学合成資材に頼らず「植物同士の助け合い」を引き出すシンプルかつ実証的な農法です。スリーシスターズに始まり、現代の研究でも収量向上・害虫抑制・土壌改良が裏付けられています。多品種を組み合わせることでレジリエンスが高まり、資材高騰や病害多発といったリスクに強い農地を構築できます。


参考文献・ウェブ資料

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